信用保証料の仕訳

2019年04月01日

昨年のお知らせのコーナーで、金融機関から融資を受ける際に支払う信用保証料の税務上の取り扱いについて、三回に分けて書かせていただきましたが、この三月に月刊税務事例(財経詳報社)三月号(2019)に税務論文として掲載していただきました。

 

結論としては、やはり、中途一部返済の場合には返戻がないことや一ヶ月いくらの契約ではないことから、信用保証料を前払費用として翌期以降に繰延経理して損金算入(経費にすること)が、現在の法人税法では困難だと思われるため、税法上の繰延資産償却として月数按分により損金算入(経費にすること)が合理的であると思われます、ということになりました。

 

信用保証料に関する仕訳を、あらためて示すなら、

 

 

1.支払時

 (借 方) 長期前払費用  ×××  (貸 方) 現金  預金  ×××

 ※税法固有の繰延資産を会計実務で表示する場合、勘定科目は「長期前払費用」を使うことになっている。

 

2.毎決算時

 (借 方) 繰延資産償却  ×××  (貸 方) 長期前払費用  ×××

 ※法人税法の繰延資産は、償却費として損金経理しなければ、損金算入できない。

 

3.保証料返金時

 (借 方) 繰延資産償却  ×××  (貸 方) 長期前払費用  ×××

 ※未償却残高を全額損金算入。

 (借 方) 現金  預金  ×××  (貸 方) 雑  収 入  ×××

 ※未償却残高が返金されるとは限らない。

 

 

「神奈川県では保証料率を下げる」との黒岩知事のコメントも新聞で見たことがあり、支払金額20万円未満の信用保証料になる融資が増えるなら、節税を考える社長さんにとって、「信用保証料の税務上の取り扱い」は、気になるところですね。