2021年11月22日
えっ!「10万円給付で、所得制限が年収960万円・・・。」こんな書き方をするようでは、マスコミにも租税教育が必要です❕
最近、国民への10万円給付問題で、ワイドショーでパネルを使ったりして「所得制限が年収960万円」というような記載がみられます。
これこそ、言語明瞭意味不明。何を言いたいのでしょうか?
サラリーマンがもらう源泉徴収票で言えば、
① 左上の支払金額が、年収。
② 支払金額の右側の給与所得控除後の金額が、所得。
なのです。
所得税法では、所得を次のように規定します。なお、読み易くするためにカッコ書き等を削ります。
(事業所得)
第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいう。
2 事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
(給与所得)
第二十八条 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与等に係る所得をいう。
2 給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
※給与所得控除額とは、年間給与収入に応じて定められる概算必要経費的控除の
金額をいいます。
収入から必要経費が控除されて所得が計算されますが、事業所得は実額経費控除、給与所得は概算経費控除なのです。
新聞、テレビなどのマスコミの表現では、10万円給付の基準が、「収入なのか?所得なのか?」正しく理解できないのです。
考えてみたら、国民に接する機会が一番多いのは、税務署の職員さんや税理士ではなく、新聞やテレビです。
そう考えたら、マスコミの人たちに租税教育は欠かせませんね。
野村修也先生、橋下徹先生、正しいことを番組のスタッフにも教えてあげてくださいね。