2022年01月04日
将来、フリーランスとして独立したら、税金はどのように変わりますか?
「ねえねえ岸田さん」というタイトルでお知らせを書いたところ、ホームページをアップしてくれているプリズムゲートの窪田さんから「ねえねえ和泉先生」というのもいいですね、というリクエストがあり、疑問に対して対話形式でお答えするという企画になりました。
窪田: ねえねえ和泉先生、あけましておめでとうございます。
新年早々、私の疑問その③です。
現在は会社勤めですが、将来フリーランスとしてwebデザイナーを始めたら、どのように税金は変わりますか?
和泉: フリーランスって、あの有名な失敗しない女医さんのような感じでしょうか?
大門未知子先生が税金の世界でフリーランスかどうかは別にして、窪田さんのご心配は、「個人事業主として独立したら税金がどうなるか?」ということですかね?
窪田: そうです。会社設立せず、個人開業です。
和泉: 個人事業で体と時間を使って生計をたてていくわけですから、個人の所得税の世界では事業所得者ということになります。給与所得者ではなくなりますから、今までのように年末調整で実額を超える概算経費控除が使えなくなります。
窪田: 会社のように、現金出納帳で現金管理をして、総勘定元帳を作成して、実額で経費の計算をして、課税所得の計算をするということですね。
和泉: やけに詳しいですね。
窪田: このホームページの「お知らせ」のコーナーの常連読者ですから(笑)。
日本の高度経済成長期に給与所得者の概算経費控除が大幅にアップして、年収500万円で概算経費控除が約150万円になったということもサラリーマンの概算経費控除の最低金額(http://office-izumi.com/news/10346/)で復習参照しました。
また、法定概算経費経費控除と源泉徴収票の見方は、男と女の税務その④(http://office-izumi.com/news/8829/)ですね。
和泉: いやぁ、コテ・メン・ドウ・ツキの全部を取られました(笑)。
経費控除は実額になりますが、現金出納帳で現金管理をして総勘定元帳を作成するようになれば、他の要件を満たすことで65万円の青色申告特別控除を受けることができるようになります。
また、事業所得者になるわけですから、個人事業税の納付の心配もでてきます。令和5年からは開業当初から消費税納税も検討が必要です。
更には、住民税は会社天引きの特別徴収から原則年4回の普通徴収になります。
給与所得者の場合は、同じ給与天引きでも、源泉所得税は前払い、住民税の特別徴収は確定年税額の12回分割あと払いなので、区別して整理が必要です。
窪田: そうなんですね。確定住民税の分割あと払いなんですね。
去年、アルバイトが会社にばれた友達もいました。国も副業や兼業を勧めるなら配慮してほしいですね。
和泉: そうですね。特別徴収を源泉所得税的に前払にするなど、総務省ももう少し、国民のプライバシーに配慮してほしいところですね。
窪田: 保険証はどうなりますか?
和泉: 国民健康保険になり、年金は国民年金になります。
窪田: それは確定申告で控除できますか。
和泉: その通り、できます。青色申告の承認申請は、申請期限が決まっていますから気を付けて。
窪田: 大丈夫です。私、失敗しないので。でも、大門未知子先生は、税金の世界ではフリーランスではないのでしょうか?
和泉: 事業所得と給与所得の区別を判示した判例(最高裁昭和56年4月24日第二小法廷判決)を参考にすると、事業所得や雑所得と言い切れるかどうか・・・。
また昨年は、研究者が多い大学教員の勤務時間を監督署が問題にしたという記事もありましたが、この最高裁判決を前提にすると、研究者の勤労時間を時間と空間で割り切るのは難しいような気がするのですが・・。
窪田: そうですね。令和の時代、厚生労働省に問題の提起をする第二の大島教授がでてくるのでしょうか?
和泉: 今度は、大島訴訟と呼ばれるサラリーマンの必要経費が争点になった、昭和60年3月27日大法廷判決ですか。
おや?妙に詳しいですね。
窪田: おや?和泉先生、今度は杉下右京ですか? 5チャンネルのファンですか?
和泉: そーなんです。実はですねー。A地点からB地点まで、いや明智小五郎も(笑)。
窪田: 漫才で聞いたような・・・。おや?和泉先生、それらも5チャンネルですか?
和泉: 良かった!2ちゃんねると言われなくて(笑)。
窪田: けっこう勉強しましたが、私、メロンも請求書も、いらないですからね(笑)。
和泉: スキップ苦手ですから、笑顔で十分です。
新年早々、ちょっとした「おとなの租税教室」にして頂けると幸いです(笑)。