2026年08月17日
この夏、寺田先生と対談する前にコメントします。
信用保証料の前払費用説を唱える寺田先生と、今年もお会いする予定です。

中小企業の会計指針では、前払費用の例示として信用保証料を掲げています。
以前、そのことを「信用保証料は、みにくいあひるの子状態になっている」とわかりやすく書かせていただきました。今回は、「自主拘束力」と「法的規範性」という用語を用いて表現したいと思います。
会計指針の例示の中で、信用保証料のみ支払いが一度だけで、各事業年度に配分する金額が契約で決まっていないわけですから、そのことを、前払費用と認識するための「契約による自主拘束力がない」と言わせていただきます。
(他の例示は、契約による自主拘束力により期間配分金額が決まります。だからこそ、その金額には信ぴょう性があります)。
国は繰延経理をさせたいものの、裁判例や裁決事例で契約による自主拘束力を考察検討することが無かったために、期間配分方法が異なった前払費用説を主張することになったわけです。
前払費用から損金計上する金額の契約による自主拘束力がないことにより、納税者自身が前払費用の期間配分方法を決めてもいいんだ、ということになると、それが恣意性や利益操作に繋がり、適正公平な課税を担保できないことになってしまいます。
一方期間配分に関して、契約による自主拘束力がない前払費用説に比べて、期間配分方法に法的規範性を有する税法上の繰延資産説を採る(会計上の繰延資産は関係ありません)ならば、同じ繰延経理をさせるにしても恣意性や利益操作を排除でき、適正公平な課税を担保できることになります。
また、法的規範性を有する税法上の繰延資産説であれば期間配分方法は月数按分ですから、国民にも経理担当者にもわかりやすく、法的安定性及び予測可能性並びに公平性(租税法の基本原則を参照)をも十分に兼ね備え、中小企業の会計指針における前払費用としての例示に対する疑問解消にもつながるものと思われます。
